シェアハウス管理業務をお願いするとしたら管理事業を一緒に並走する視点を持てるパートナーを見つけることが大切です。
つまり依頼された管理業務だけをただ言われたままやるだけの管理会社ではコミットメントが低いです。そのため長期的にみると稼働率の低下につながり、成長性は見込めません。
そこでまず初めに選ぶべき管理会社と選ぶべきではない管理会社の特徴についてご紹介します。
・選んだ方がいい管理会社、選ぶべきではない管理会社の特徴を把握したい方
・管理会社の業務内容を把握したい方
・依頼する際にかかるコストを知りたい方
シェアハウス管理会社の選び方
まず初めにシェアハウス管理会社を選ぶ際の下記7つのポイントについてご紹介します。
- 資格の有無
- 管理戸数
- 稼働率
- 清掃ノウハウ
- 掲載サイトなどの集客チャネル
- スタッフの質
- 管理会社がパートナー視点を持ってるか
まず初めに資格の有無についてです。
1.資格の有無
資格とは宅建免許を持っているかどうかについてです。
実際、宅建免許を取得してない事業者も多いです。または宅建免許を取得している知り合いの免許を使用している場合などもありました。
ただ、免許を取得していない管理会社に任せるとどんな問題があるの?
宅建免許を取得していないシェアハウス管理会社は、法的な対応が弱い場合が多いです。
不動産を取り扱う専門家がいないと貸主、借主ともに損をすることがあります。そのため宅建業という法律にて、専門家を仲介にいれることを定めています。
そもそも貸主がおり空室を不特定多数の第三者に募集するという営業活動をする時点で宅建免許が必要となります。
また、宅建業者でないと登録できない不動産商品も多いです。
宅建免許がなくてもシェアハウスの募集集客は出来る!!
と言われた場合は注意しましょう。
もしシェアハウス運営の出口としていつかは不動産を売却したい、融資を受けており金融機関との付き合いがあるなどの場合は法的に固めて置くべきです。
そのため管理依頼をする場合はシェアハウス事業者が宅建免許を取得しているかどうかチェックしましょう。
2.管理戸数
シェアハウス管理をメインとして運営している会社である場合、シェアハウス管理戸数は200室以上は管理していないと利益が出ていない可能性が非常に高いです。
本業があり、シェアハウス管理事業が別にある場合はこの限りでは無いです。そうなりますと管理戸数が200室を超えるため賃貸住宅管理業の取得が必要となります。
賃貸住宅管理業者であるかも見るべきポイントとなってきます。
3.稼働率
次に稼働率についてです。稼働率の低い管理会社に任せることは売上の拡大につながりません。
そのためできる限り継続的に稼働率の高いシェアハウス管理会社に依頼することが望ましいです。基準としては下記になります。
- 女性専用シェアハウスの場合は50−60%以上
- 男女混合の場合は60−70%以上
上記の稼働率があれば合格ラインかと思います。ただコロナ禍のため稼働率が一時的に下がっている場合もあります。
その場合はコロナ前の稼働率も照らし合わせてみることがポイントです。
4.清掃ノウハウ
次に清掃についてです。シェアハウスは賃貸業のためシェアハウス内がきれいに清掃されて整理されているかがポイントです。
清掃が行き届いていないと入居者の継続率はかなり落ちます。また内覧からの入居率も下がります。
つまり清掃が行き届いていないと総合的な稼働率が下がり、利益率も下がる可能性があるということです。
もちろん完璧な清潔感が必要というわけではありません。ただし必要最低限の清掃ができているかどうかは大切です。
5.掲載サイトなどの集客チャネル
次に集客チャネルについてです。まず集客チャネルとして代表的なものは2つあります。
1つは掲載サイトです。掲載サイトとはシェアハウスを検索できるポータルサイトのことを指します。
基準としては5つのチャネル以上は実施しているとよいですが3チャネル未満ですと弱いです。掲載サイトを持っていることのメリットは集客ノウハウを持っている点です。
国土交通省が行ったデータによるとシェアハウスへの流入の26.5%はシェアハウス掲載サイト流入で4人に1人が掲載サイトを利用しています。
つまりもし掲載サイトの使い方を知らない、ノウハウがない場合は25%以上のお客様獲得の機会損失を生じさせているのと同等です。
2つ目にオウンドメディアでの集客です。掲載サイトにかける費用などを払わなくて済むなどのメリットもあります。
ただSEOにおいて元々上位表示され、一定数のアクセスが毎月あることが条件です。
またオウンドメディアによっては様相に合わないなどもあります。
そのため基本的には掲載サイトのチャネルは最低でも3つ以上は持って1年以上は運営経験がある管理会社であることがポイントです。
6.スタッフの質
次にスタッフの質について2つのポイントをご紹介します。
1つ、まずはシェアハウスのことを知ってるスタッフがいるかどうかについてです。正直、シェアハウス事業者のほとんどの方はシェアハウスに住んだことがありません。
シェアハウスに住んだことが無いのにシェアハウス事業をしているとするとノウハウとして非常に弱いです。
例えば下記のようなケースです。
建物が綺麗だったら入居するだろう!
賃料が安ければずっと住み続けるだろう!
正直シェアハウスに住んだことがない方はこういったうわべだけの考えの方が多いです。
もちろん、シェアハウスの利点として安さや便利さがあります。ただそれだけでは今の時代は入居を決める最大のポイントにはなりません。
シェアハウスに住んだことがあるか、なぜシェアハウス管理業務をやっているのか、、、などこのあたりは実はとても大切です。
次に英語ができるスタッフがいるかどうかです。内需だけをターゲットにしたシェアハウス事業は今後は難しいです。
海外の人もターゲットにし、少なくとも英語が話せるスタッフが必要となります。英語対応が出来るスタッフがいるかどうかはポイントとなります。
7.管理会社がパートナー視点を持ってるか
管理事業を一緒に並走するパートナーという視点かどうかもポイントです。管理会社なので、管理中心でコミットメントが弱いと事業をお願いできません。
管理業務を委託され、委託されたことだけやっていればよいというわけではないです。どのような視点を持っているかも重要です。
上記7つのポイントを抑えることができれば安心して運営を任せることができます。ただ実際にどんな仕事を任せることができるのかは気になります。
そこで次にシェアハウス管理会社の業務の詳細についてご紹介します。
シェアハウス管理会社の業務概要
まず、シェアハウス管理会社は事業者からシェアハウスの運営、管理を行っている会社になります。
一般社団法人日本シェアハウス連盟が行った「シェアハウス市場調査 2019年シェアハウスによると国内のシェアハウス業者は752社ほどあると言われています。
そんなシェアハウス管理会社の業務は大きく分けると主に下記4つに分かれます。
- セールス
- マーケティング
- 建物メンテナンス
- 管理業務
まず初めにセールスについてです。
1.セールス
セールス業務は、問合せ対応、内見、契約までの営業活動を行います。
問い合わせ
問い合わせ対応とは掲載サイトや自社集客チャネルからきたお客様への対応を行います。
内見
実際に入居希望者と日程を合わせて物件への内覧を行います。
契約
内見後に成約した場合に契約業務を行います。
上記3つのプロセスを行います。
2.マーケティング
物件の稼働率を上げる施策として下記のような業務を行います。
周辺地域分析
物件周辺地域の稼働率や値段、キャンペーンを分析し、適切なプロモーションを行います。
掲載サイトの運用
キャンペーンをうったり、価格を繁忙期や閑散期で変えたりします。
3.建物管理
建物の清掃、修繕、リペア、備品や消耗品の管理を行います。
4.管理業務
主に4つのバックオフィス業務を行います。
入居者の契約管理
入居者の新規契約や再契約などの契約全般に関わる管理業務を行います。
オーナーとの契約管理
実際にオーナーと物件の契約管理についての話し合いを定期的に行います。
入出金管理
入居者からの入金や消耗品などの建物に関わるコストに対しての出金を行います。
オーナーレポートの作成(入出金月次報告書)
月1で新規契約者や入出金状況、さらに滞納者の有無など上記の管理業務の進捗共有を行います。
上記4つがシェアハウス管理会社の業務です。
ただ実際にお願いするとしたらどのくらいの費用がかかるのだろう?
そこで次に項目別に料金体制の全体像をご紹介します。
シェアハウス管理会社への委託内容
ここでは、シェアハウス管理会社を選定したときに出てくる項目や相場について説明します。
主に下記7つのポイントに分けられます。
- 管理業務委託手数料
- 定期清掃
- 成約時報酬
- 広告費
- 更新料
- 緊急対応費用
- その他
まず初めに管理業務委託手数料についてです。
1.管理業務委託手数料
管理業務委託手数料がシェアハウス管理会社にとってのメインの売上となります。売上平均15−20%ほどになります。
10室未満のシェアハウスなら20%、20室以上になると17−20%程です。30室を超えてくると15%程など規模が大きくなると1棟あたりの管理効率が上がります。
そのため室数に応じて段階的に報酬が下がっていく傾向が見られます。また最低委託手数料を取り決めている会社もあります。
管理会社にもよりますが平均は55,000円です。
2.定期清掃
週1ー2回ほど実施する定期的な清掃代となります。こちらも物件によりますが小規模なところですと16000−20000円ほどです。
3.成約時報酬
入居者が決まったら、1ヶ月分の賃料をシェアハウス管理会社にお支払いします。シェアハウス入居者は契約期間が短い場合も多いです。
そのため最低契約期間を6ヶ月と定め、6ヶ月以上の契約に限り1ヶ月の手数料、それ未満は一律3万円などと決めているところもあります。
4.広告費
広告費の支払いとしては2つのパターンがあります。
広告掲載費用
広告掲載をしているサイトの実費分をお支払いします。
成約時の広告料請求
成約時に手数料とは別に広告料として賃料の1ヶ月分、または数万円というような条件がある場合にのみ発生します。
ただほとんど発生しません。
5.更新料
契約を更新した際に支払う手数料です。こちらもめったに発生しません。基本的に入居者から頂戴することが多いです。
ただシェアハウスの場合、入居者は更新料をとてもきらいます。
入居しやすくて出やすいシェアハウスならではなのですが、更新料が発生しますと、引っ越ししてしまう解約率が上がります。
こちらを設けている場合は、よっぽど高稼働を維持できる自信のあるシェアハウスかと思います。
6.緊急対応費用
こちらは、緊急駆けつけ時の対応による費用になります。
7.その他
コンセプト系のシェアハウスの場合、別途、イベント代等の費用がかかったりします。
上記7つの項目がシェアハウス運営・管理をお願いする際にかかる費用の全体像です。
まとめ
よくあるシェアハウス管理会社ランキングのみで選んではいけない。
あなたにとってのシェアハウス管理会社はどこがベストなのかを考えましょう。
管理手数料ももちろん収支上大事ですが、それよりも事業のほうが大事です。
よいパートナーを見つけたほうがお互いによいはず。
また現状のコストと実際の委託コストを比べてどちらの方が費用対効果が高いかを考えてみよう。