既存物件を、地域に根差す宿へと育てる
もともとは他社管理下にあり、ホテル運用を見据えて再スタートを切るタイミングで Livmo が参画した物件です。大規模改修は行わず、 短期・中期滞在に最適化した仕様へ再設計。「泊まる」だけでなく「くらす」宿として再生を図りました。
ブランドを再構築。”蒅(すくも)”に込めたまちの記憶
Sukumo〜蒅〜の舞台である 神田紺屋町 は、かつて藍染文化で栄えた街。この土地のアイデンティティを現代に温かく再解釈し、 「都心での贅沢な住まい体験」 をテーマに新ブランドを構築しました。
ブランド名「蒅(すくも)」の由来
“蒅(すくも)”とは藍染に不可欠な天然染料の名称。この名前には、
- 土地の記憶を受け継ぐこと
- 地域に根差す宿へ育っていく願い
が込められています。
デザインコンセプト
- ブランドカラー:藍染の “色むら” を残した深いブルー
- ロゴ:漢字ではなく筆記体を採用し、インバウンドにも親しみやすい形に
伝統と現代が調和する、都市型の新しい宿泊ブランドを志向しました。
「体験」が価値を生む客室設計に。
Sukumo〜蒅〜は 40㎡超のゆとりある客室 に
- キッチン
- 洗濯機
- ウォーターサーバー
を備えた、都心では珍しい “くらしを前提とした” アパートメント型宿泊施設 です。ホテル用途が制限されるエリアにも関わらず、生活機能を兼ね備えた設計によって稼働・単価ともに好調な実績を残しています。
11階:植物と暮らす、特別なフロア体験
11階は、有限会社フロレゾン花瞬と協働し、 「人と植物が共生する空間」 をテーマに特別設計。自然の中にいるような没入感をつくり、ゲストの心をやわらげる癒しの空間となっています。
あえて”植物の水やり”をゲストに任せる設計
くらすように泊まる体験を深めるため、 植物の水やりをゲスト自身にお願いする仕組み を取り入れました。当初は「負担に感じるのでは」という懸念もありましたが、実際には多くのゲストから 「ここで暮らしている感覚が生まれて良かった」 という声が寄せられています。
“日常を少し担ってもらうこと” が、 くらすように泊まる体験の本質 につながると実感した事例です。
顔が見える運営を目指して。街とホテルをつなぐ
藍染文化を背負う神田紺屋町だからこそ、 地域とともに歩むホテルでありたい。 私たちはそう考え、地域に根差す運営体制を築いてきました。
現在の取り組み
- 近隣住民との日常的な対話
- トラブル時の迅速な対応
- “顔が見える運営” を意識したコミュニケーション体制
これから取り組むこと
- 町内活動への参加
- 地域行事での協力
- 地域共創型プロジェクトへの発展
民泊規制が強まる中、多くの不安は 「運営者の顔が見えないこと」 から生まれています。だからこそ私たちは、地域との対話や連携を大切にし、 地域に信頼されるホテル運営 を追求しています。
Livmoの”ソフトデベロップメント”の流れ
私たちは、物件の無形資産である 「くらしの体験価値(ソフト)」 を最大化する手法として、ソフトデベロップメントを重視しています。これは、設備やリノベ等の “ハード” に依存せず 入居者像・過ごし方・空気感といった 見えない価値 を軸に物件を再設計するアプローチです。
▼ Livmoのソフトデベロップメントの流れ
- 入居者ターゲットの設定
- 当事者を交えたエリア調査・ヒアリング
- コンセプト設定と空間企画
- 間取り・導線・設備設計
- 募集・運営・イベント支援まで一貫伴走