コロナ禍で稼働が止まった学生寮。活用に悩むオーナーからの相談がはじまりでした。
本物件は大学の学生寮として長く活用されていた建物でしたが、コロナ禍でリモート授業が主流になり入居率が急落。寮としての役割を終え、オーナー様とご親族が「このままでは空室が増えていく」と活用方法を模索している中、JA東京を通じて Livmo にご相談をいただきました。
「収益最大化」よりも「くらしの空気感」を提案したシェアハウスへ
REFUは収益性よりも“安心できるくらしの空気感” を重視した物件です。
コロナ禍では”三密”を避ける生活様式が主流となる中で、私たちはあえて「つながりのあるくらし」 を企画提案しました。
実際に他物件では、
- 「シェアハウスで過ごす日々が楽しい」
- 「暗くなりがちな日々でも、誰かの気配があるだけで安心できる」
といった声が多く寄せられていました。
本来であれば居室を増やすことができた1階部分を、入居者同士が自然に集まり会話が生まれる共有スペースに転換。
1階に様々な「くらしのシーン」を散りばめ、境界を曖昧にしたことで、そこはリビングであり、ワークスペースであり、図書室であり、時に鍋を囲んだり犬とふれあう場にもなる多用途空間になりました。
学生寮時代には単なる「食堂」だった場所が、入居者それぞれの自由なくらしを支え、自然な会話が生まれる場へと進化しました。
また、
- 土足OK
- ペット可
など暮らし方の多様性を尊重し、外と中がつながる開放的なデザインを採用。海外のゲストハウスのような、気取らず人が集まれる住まいを目指し、「集まり」「働き」「過ごす」が共存する導線をデザインしました。
ユーザーの”ありたいくらし”を優先した結果、高稼働・高単価を実現
オーナー様のご家族がバックパッカー経験者という背景もあり、Livmo が他物件で提供している”空気感”に深く共鳴。多様な国籍の入居者と共にくらす温かい雰囲気に「懐かしいゲストハウスのよう」と共感していただき、私たちの「数字よりくらしの空気感を重視する企画」が信頼につながりました。
REFU完成後、シェアハウスのポータル掲載では問い合わせ数が 他物件の約3倍へ。家賃もエリア相場より 2万円高い設定 にも関わらず、安定的に高稼働を維持し、継続的に満室に近づいています。
都心からも駅からも遠い物件に挑んだ理由
西永福は都心から少し離れ、物件自体も駅から距離のある立地です。一般的にシェアハウスは「駅近・家賃が安い」といった指標で評価されがちですが、REFUはその真逆を選びました。
- 駅から遠い
- 家賃は相場より高め
それでも、この場所だからこそ「落ち着き」や「つながり」といった新しい価値を提案できると考えました。近くの公園で気軽にリフレッシュしたり、ローカルなスーパーで買い物したりする日常の中で、コロナ禍以降の社会で求められる“心が落ち着く住まい”の重要性が高まったと実感しています。
大切にしたのは“住む人が主役になる空間設計”。余白を活かしたシンプルなデザインに抑え、自然と調和するようにグリーンを取り入れ、気取らない優しい空気をつくりました。設備の豪華さに頼らず 「ソフトで勝負する」。REFUの設計思想は、シェアハウスの当たり前を問い直し、空間が持つ”空気感そのもの”を価値へ変える挑戦でした。
Livmoの”ソフトデベロップメント”の流れ
私たちは、物件の無形資産= 「くらしの体験価値(ソフト)」を最大化する手法として、ソフトデベロップメントに重きを置いています。これは、設備やリノベなどの「ハード」に頼るのではなく、入居者像・過ごし方・空気感といった目に見えない価値を起点に物件を再設計し、入居率や問い合わせ数の向上につなげる取り組みです。
▼ Livmoのソフトデベロップメントの流れ
- 1.入居者ターゲットの設定
- 2.当事者を交えたエリア調査・ヒアリング
- 3.コンセプト設定と空間企画
- 4.間取り・導線・設備設計
- 5.募集・運営・イベント支援まで一貫伴走